借入先を変えずに、変動金利の負担を固定に近づける。その鍵は、借入契約とは別に組む利息の交換契約です。
融資を借り直す以外の選択肢
会社が設備を作るために長期間お金を借りると、金利が動くたびに将来の利払いの見通しも変わります。元の融資をすべて借り換えればよいとは限りません。そこで、借入れそのものと金利変動への対応を分ける仕組みとして、金利スワップが使われます。
計算用の元本と本当の貸付を分ける
代表的な形では、同じ通貨について、一方が固定金利で計算した金額を払い、他方が変動金利で計算した金額を払います。計算の基準は想定元本です。通常の固定対変動の金利スワップでは、この想定元本を新たに貸し付けたり交換したりするわけではありません。通貨スワップの元本交換と混同しないことが大切です。
三本の支払いを足してみる
架空の会社が、基準金利に年1%を加えた利率で借りているとします。別のスワップで同じ基準金利を受け取り、固定年2%を払うと、基準金利の支払いと受取りが対応し、差し引き年3%相当の負担になります。
これは元本・期間・金利指標・計算期間が一致し、手数料等を無視した模式例です。借入先への支払いはそのまま存在します。スワップは借金を消すのではなく、別の受け払いを重ねて全体の性質を変えます。
固定にすれば何も心配いらないのか
実際には指標や期間がずれれば完全には相殺されません。相手が約束を履行できないリスクや、契約を途中で終える際の清算額も考える必要があります。金利が下がれば、変動のままにしておいた場合より負担が大きくなることもあります。安く借りることと、負担を読みやすくすることは同じ目的ではありません。
ニュースを読むときは差引きで見る
スワップだけの支払額や想定元本を見ると、取引全体を見誤ります。元の借入れ、スワップの受取り、スワップの支払いを同じ紙に並べると、何を固定し、どのリスクが残ったかが分かります。金利スワップの本質は、資金の移動よりキャッシュフローの組み替えです。
一次資料と確認日
資料確認日:2026年10月24日。制度や商品条件は変わる場合があります。本文は一般的な仕組みの解説であり、個別の投資・契約を勧めるものではありません。

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