まとめて差額だけ払えば効率的。それでも一件ずつ決済する理由は、最後まで支払いを待つ間に、相手が払えなくなる可能性があるからです。
差額決済はお金を節約できる
説明用に、A銀行からB銀行へ100、B銀行からA銀行へ90の支払いがあるとします。まとめて差し引けば、AからBへ10を動かせば済みます。多数の受け払いを相殺するネット決済には、必要な資金を抑えられる利点があります。
効率の裏に残る待ち時間
しかし決済を一定時刻にまとめる方式では、それまでの間、受け取る予定の資金を当てにする関係が残ります。一つの銀行の支払不能が、別の銀行の支払いにも影響する恐れがあります。問題は一社の損失だけでなく、決済の連鎖が止まることです。
RTGSは待ちを短くする
RTGSは即時グロス決済のことです。基本の考え方は、指図を受けた取引を一件ごとに処理し、決済を確定させていくことです。日本銀行は2001年に日銀ネットでこの方式を採用しました。単に処理を速くする技術ではなく、未決済の関係を長く積み上げないための設計変更です。
一件ずつ払うには先に資金がいる
先ほどの架空例でAの100の支払いが先なら、Bから90が届く前に100を用意する必要があります。最後の差額10だけを見ると、この日中の資金需要が見えません。ここが安全性と効率性の両立で難しい点です。
日本銀行は2008年に流動性節約機能を導入しました。待機中の支払指図などから同時に処理できる組合せを探す仕組みにより、資金を節約しながら決済を進めます。「即時」という名称でも、必要資金や処理条件を無視して無条件に送れるという意味ではありません。
手元の振込画面とは区別する
利用者の画面に受付完了と出ることと、銀行間で最終的な資金決済が済むことは同じ概念ではありません。また、すべての支払いが同一方式で処理されるわけでもありません。決済を理解するときは、誰と誰の間で、いつ、どの資金を使って確定するのかを見ると整理できます。
一次資料と確認日
資料確認日:2026年10月24日。制度や商品条件は変わる場合があります。本文は一般的な仕組みの解説であり、個別の投資・契約を勧めるものではありません。

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